演劇手法を取り入れた高齢者向けのリハビリテーション等をご提供します。 お問い合わせ・ご相談はお気軽にどうぞ。  022-245-6101 info@fatbloom.org

演劇について

演劇とは

 演劇とは、人が集って、目標を作り、関わりを持って協力することで、初めて実現することができるものです。そして、それは、自分を確立するための「疑似の小社会」で、スキルを磨いていくことでもあります。

演劇の効用

 演劇とは、期日の決まった祭りです。公演を目標として、照明・音響・大道具等数々の仕事が待ちうけています。「役者になりたい」、「昔、音楽を志していたから」、「人を美しく照らしたい」等、演劇に参加する目的は、個人個人異なります。  演劇には「コミュニティ」が存在します。「コミュニティ」の中に仕事があり、会話が生まれ、人との関わりが出来上がります。すなわち、「社会」の中に「小さな社会」を作りだしていく仲間の活動です。  その一方で、「やんだや~人」は、「世知辛いシャカイ」の中で、いろいろな悩みを持ち、生きています。年齢が上がってくると、どんどん人との関わりが少なくなり、一人になって行く人も増えてきます。  望ましいのは、「社会の中で居場所を見つけ、生活を成立させる」そんな生き方。しかし、「社会」には、色々な制限があり、心や体をむしばむ事がおきます。そんな時に、「医療」に頼ってしまいがちですが、「医療」の解決できる範囲は狭いのです。  「人」は「人」の中で、自分らしさを取り戻していく事が必要なんです。それが、演劇を使ったコミュニケーションワークショップ。そして、期間限定の「疑似社会での交流」なんです。

設立までの背景

劇団ファットブルームは、2004年に私が「やんだや~人」になった時に、一緒にいた障害者と立ち上げました。 私は、授産施設にアルバイトで務め、障害者に出会いました。 障害者は、決められて仕事を毎日、黙々とこなしていました。 不自由な体でする単純作業は、はたから見ては簡単な仕事でした。 しかし、彼らは仕事の休みの日に大いに休みます。 外へ出て気分転換を図っても、毎週同じ場所を行ったり来たり・・・ 外出先には「友達」がいないんです。 彼らは、仕事が終わると居室に集まり、奇抜なファッションで酒を飲みます。 私は、彼らが何を目標に生きているのかを考えました。 そんな時に、私の「演劇公演」がありました。 それは、2003年の冬の事でした。 「ネコの手も借りたい」とは芝居の世界にもあります。 人数の少ない劇団では、受付、会場整理等色々な仕事があります。 「よかったら手伝ってくれない?」と声をかけると、彼らの表情が明るくなりました。 新しい環境に対する好奇心が生まれた瞬間でした。 毎日通って手伝ってくれる「障害者」という認識から、「仲間」へと変わったのです。 彼らの会話量は、笑顔と共に増えて行き、「演劇」を楽しみました。 今考えると、劇団に出来た「コミュニティ」を楽しんだのかもしれません。 そこで、作業療法士という仕事を考えました。 当時、施設で行われていたレクリエーションは、提供する側も、受ける側もマンネリズムに陥り、「環境」を悪化させていたのです。 色々と工夫はするものの、「日々」に流されていく。 「環境の一定化」、「生活の無変化」というものは、「人間」の身体や心に、「低下」と言う作用を与えると気付きました。 そんな2004年に、私は、彼らと「劇団ファットブルーム」を設立しました。 当初は、周囲の偏見だけが感じられた事を覚えています。 しかし、3年も活動していると、いつの間にか「ファットブルーム」を中心として、『社会の中でのコミュニティ』が生まれてきます。 周囲の目が変わってくるのです。 「石の上にも三年」。 これは、継続した者に与えられる「幸運」だと思いました。 その三年間は、障害者も、私も、大いに「演劇公演をする」と、笑顔で言い続けた記憶があります。 私達は、毎日「環境」を変えていたんです。

演劇の目標

環境を変えると、「自信」、「余裕」、「笑顔」が生まれます。 そんな場所には、人が集ってきます。 そして、「コミュニティ」は、みんなの力で大きく育っていきます。 公演を迎え、劇団員が舞台に立った時に、大きな自信が生まれた瞬間を目のあたりにしました。 それからは、彼らの休日の行動が変わります。 知り合った人の芝居を見に行く、次回公演のチラシを配りに街に出る・・・ いつの間にか、自らが社会に関わりを作りだしていました。 周囲の応援があり、社会の中で認められていく。 こんな出来事が、「演劇」と「リハビリ」の手法で作り上げられたなら…と、いつも考えています。